山登りに二つあり、一つは富士登山のように一つの頂上を目指すもの、もう一つが縦走。これは幾つもの山を尾根伝いに歩くもの。
この借り上げ料の調査が縦走。幾つもの課を調べた調べた。その結果無駄と、富士通にやられたことが判明。八戸市役所の管財課が発注する仕事が80億円、各課が発注するのが60億円、その半分が随意契約。
担当課にはコンピューターに通じる者が少なく、業者のいいなりになる。つまり、自分の課では設計書が書けないので、業者に書いてもらい数字を微妙に変えて契約する。これは官製談合、その認識すらなくどの課もこれを行う。これを事件とすれば数名は逮捕となろう。
新聞などのマスコミは当事者ではないので、逮捕者が出ようが出まいが関係ない。ところがミニコミはその事件の当事者になれる。つまり、役所の不手際を責めて、告訴すればいい。「はちのへ今昔」もそれを実際に行った。それは市長交際費のチョンボ事件。しかし、検察は不起訴処分とした。
警察に告訴状は出さない。プロの検察に出す、被疑事実がなければ誣告罪となる。三ヶ月以上十年以下の懲役。だから、告訴する場合は慎重を要する。
担当課は前任者がやっていたからと簡単に踏襲するが、存外崖の淵を歩いている。だが、それに気付かない。
さて、公民館が市内に22ヶ所ある。そこでパソコン教室が開催される。市役所は30台のパソコンをリースで借り、3教室で10台づつが使用できるようにした。その備品台帳をつけていない。
市が購入したものではないから備品台帳は不要という。しかし、5年契約で借りた物件がどのように移動しているか、それが破損していないのかと問うと大丈夫だの返答。3教室のうちサンプリングで小中野公民館に移動した10台を聞いてみた。たしかに移動してきたが、1台壊れていて、職員が直したそうだ。
破損したパソコンはリース業者に入れ替えを願うべき、また、借りた物が紛失、盗難にあった場合は担当課に責任が発生する。世の中善人ばかりなら警察はいらない。行政は市民の利便を計るところだ。必要な物は揃えろ。しかし、揃えただけで終わるな。管理責任もある。市民からの税金との意識が欠如しているからどうでもよくなる。
自分の金でパソコンを買って貸すなら管理に身が入る。他人の銭、毎年雲霞の如く入ると思うから雑になる。真剣に市民の為に働け。
パソコンを課に導入する際の契約が問題。これをいいかげんにするから毎年四億円も借り料を支払う。購入した方が安い。パソコンは市役所職員の数より多いだろうとの見当をつけて調べている。どうやらその目論見は成功の模様。
ここで問題になってきたのは富士通にしてやられたこと。この富士通の根性の悪いのは広島水道局の一円入札。突破口さえ開けば後は随意契約となり、官製談合の世界。つまり八戸市役所と同じで各課にパソコンを知る人物がいないところに着目。随意契約だけに保守料はふんだくる、維持管理料は取る、ソフト修正代として千万単位を請求するとやりたい放題。
そこで遅ればせながら八戸市役所も情報システム課がそれに気付き、平成18年からの契約に目を光らせるようになった。
よかった、これで富士通に騙されないと思うだろうが、そうはいかない、情報システム課はこの程度の額が適正だろうとしか言えない。何故? 権限が付与されていないからだ。
アドバイスは出来ても契約自体に苦情、苦言は言えない。また、それを彼等は仕事としていない。そこで制度を改変することだ。
つまり、パソコン、コンピューターに強い人間を課長にして、IT化契約を見直し、契約内容を改変する、著作権が八戸市にあるのか業者の側にあるのかに目を光らせる。
今、一歩踏み込めば、管財契約課は従来のもの、ITがらみは全てこの目付けの課を通さないと契約が出来ない仕組みにするべきなのだ。
市役所の情報システム課に工藤祐一グループリーダーがいる。この男が実にいい雰囲気。大映に田宮二郎ってのがいたが、これが自滅した、勝新太郎との悪名シリーズは好演、この男に似ていると言うのじゃない。大映の悪役に出てくるような雰囲気があり、一度会えば忘れられない風貌。
この工藤氏が実力の持ち主、コンピューターを知悉している。この男をIT目付け課長にして、契約の根本から見直し、約5億円の借り賃を圧縮してもらう。世の中は実力主義、あたら人材を埋もれさすことはない。全庁的に見直しをかけさせる。FAXなども年間45万の複合機もあれば3500円の旧式を使用する課もある。
大事なのは必要な所に銭をかけよ、不要な物は圧縮せよだ。こうした当然なことを見過ごしてきた八戸市役所の体質は何処から来た。みんな、職員一人ひとりの心からだ。我がせずとも、あるいは余計なことを喋って、おはちが廻ると困るなどの事なかれ主義が市役所を腐らせた。
役人は何もしないのを旨とするじゃ困る。改革・改変は遠い太鼓の音、念仏やお題目じゃない、身近な足元にこそあるのだ。