八戸は港から拓けた。港に活気が戻れば八戸は再び燃えるのは間違いない。サバの水揚げが低迷したころ、八戸に陰りが出た。イカだけでは盛り上がりに欠ける。サンマは安定しているが、八戸にはほとんど揚がらない。揚げる努力が欠けているからだ。
サンマ船は県外船、八戸に水揚げして貰いたければ奨励金を出す、高く買うの2点がある。高く買うためには基金を作れ、市民からも拠出をあおぎ八戸魚基金を創設し、サンマを買い、生で中国内陸に出す、あるいは八戸にないサンマの加工場を作る。幸い八戸には冷蔵庫がある。その冷蔵庫は空の状態。魚を持つ者が勝ちそうな雰囲気が現在。
株価下落で国際的に暗いムードだが、どんな不景気でも食わない人間はいない。中国蘭州は人口三百万、料理店の水槽にはなまず、鮒が活魚として泳いでいる。その中国人に生サンマを食ってもらう。脂が乗りジュっと音たて醤油をかけて食べれば、必ず虜(とりこ)になろう。蘭州と八戸はガス事業を教えた関係で緊密。中国に物を売ると金が貰えずに苦労、が、市が仲介に入れば問題は払拭。
生食から加工品の輸出と話は次第に拡大。出来るところから手を染めていけばいい。八戸のサバも銀サバの称号がついたそうだ。いいことだ、自分の足元にある物の価値を正しく見る、そして他よりも価値があると思えば積極的に声高に宣伝することだ。ある物しかないのだ。ある物に価値をつけて売る、それが加工の技術であり付加価値なのだ。
加工品は搬送が容易、中国人が好む味付けを工夫できれば、無限の売り先が確保できる。
さて、八戸に魚が揚がる、それをセリにかける。魚をトラックに積み込む時に、プラスチックの函にシャーベット氷と水、魚を入れる。その水が岸壁下の汚染水では不衛生で、八戸の名を落とす。
そこで魚市場のコンクリートに魚を落としても絶えず水道水が流れて、床が清潔に保たれていればいい。すると、その水道水に幾らぐらいの金がかかるかが問題。現在八戸市内で工業用水道水を最大使う企業は年間六千万円を消費する。同等の金を必要とすれば、魚市場に毎年一億六千万円を一般会計から赤字補填でつぎ込むが、さらに赤字が拡大し、奈良岡副市長がいうように水道は高くつくとなる。
ところが、これは物を一方的にしか見ていない。どういうことかと言うと、八戸市の一企業が水道企業団。ここは議会があり、その議決で全てのことは進行する。
水道企業団の小島事務局長に問うた。国家的事業、国が第一号に指定したハサップ、これにタダで水道を供給しないかと。
即座に否、が、議会で承認されれば仕方がない。理事者側が何と不服を唱えても、議会制民主主義では理事者は発言の機会もない。これが醍醐味。議員提案の最大の面白味がここにこそある。
つまり、議員が時限立法でハサップ漁港が出来、魚市場が機能を発揮したとき、水道料を向こう五年無料供与、さらにその後は協議するの一項を入れれば、水道はタダで使える。そんなことをすれば水道料金が上がるだろうと心配する向きもあろうが、漏水が二割近くもある。これは無料だ。上げる必要はさらさらない。
世の中が神経質になり、衛生管理至上主義、その衛生面を担うのは水道。それを無料でふんだんに使い、世界にもまれな衛生的な魚市場に変われ。それこそがハサップの狙いなのだから。
皆が各々の分野で持てる力を最大限発揮しろ、死ねば出したくとも出ない。生きてるうちが勝負の時、小林市長は貰った限りのある時間の中で最大限自分を売ることだ。副市長も水道企業団も広域事務組合も、市役所も貴方を推戴(すいたい・おしいただくこと。特に、団体などの長としてむかえること)のふりはしているが本気になって立ててはいない。もっとも貴方だけでなく、彼等の本質はそうした人を愚弄する、慇懃無礼なものなのだが、世の中は自分の意思をブチ通す所だ、まして、それなりの権限を付与されている、それにおじけることなく存分に猿臂(えんぴ・肘)を伸ばし、八戸市民のため、居て良かった市長の名を得ることだ。
行政の長とは市民活動の原点を作ること、これに尽きる。