2008年10月23日木曜日

南郷区職員の給与は差別されているのか

メールで投書が来た。
 八戸市と旧南郷村が合併した際に、旧南郷村職員の給与水準が八戸市職員の給与水準に達していなかったため協議されたようですが、「住民の理解が得られないため」という理由から旧南郷村職員の給与は据え置かれ、現在では、同じ職種の同じ経歴、同じ役職でも旧南郷村職員の給与は40歳代で5~7万円ほど(月当たり)違 うそうです。「住民の理解が得られない」とする理由であれば、八戸市職員の給与体系は県職員よりも高い=県内でトップクラスなので、合併を機に旧南郷村の給与水準に引き下げたなら、もっと「住民の理解」が得られるように思います。
 また、同じ職場環境において、給与差別ともいうべきものが存在しているとするなら、労働基準監督署の定める「労働環境・動労条件の平等」というものに抵触している可能性が高い。
 この投書で調べ残した事を思い出した。合併して得をするのは職員だけ、村会議員の給与はそのままに据え置かれたことは、以前取り上げたが、職員の給与のことは失念していた。そこで合併協定書を見た。
報告第9号 合併協定書の9に次のようにある。
一般職の職員の身分の取り扱いについて
南郷村の一般職の職員は、すべて八戸市の職員として引継ぎ、合併時の給料月額を保障する。
職員の任免、給与その他の身分の取り扱いについては、八戸市の職員と不均衡が生じないよう公正に取り扱うものとし、その細目は八戸市長と南郷村長が別に協議して定める。
 八戸市人事課の説明は、合併前の課長職の給与は八戸は8級、南郷は課長でも7級、給料表は人事院勧告で定まるもので級が同じなら同じ額だ。南郷は合併前から一級下の額に決定していた。協定書でそれを保障すると定めたので、同じ課長でも給与に差が出た。八戸市は協定書を守っている。問題はないと思う。南郷の職員で本庁に異動になった人もいる。昇進すれば級があがり、南郷では定めていない級にも昇進ができる。南郷職員にとっては改善された。
 ところが、それは協定書の前段、給与その他の身分の取り扱いについては、八戸市の職員と不均衡が生じないよう公正に取り扱うの文言は、どうなったのか、この部分に関しては投書が正しい。
 細目を中村前市長と南郷村長が意図的に協議しなかったのか、それとも、人事課がとぼけたのか不明。そこで更に追求し、当時の南郷職員の給料分布をみた。
10級・部長、理事  南郷・なし
9級・次長、副理事、南郷・なし
8級課長、参事  南郷・参事6名
7級課長補佐、副参事 南郷・課長、副参事11名
6級・班長、主幹 南郷・課長補佐、統括主幹7名
5級・主任主査 南郷・主幹、統括主任主査20名
4級・主査、技査 南郷・係長、主任主査19名
3級・特に高度な知識を要する主事 南郷主査19名
2級・相当高度な知識を要する主事 南郷主事19名
1級・定型的な業務を行う主事   南郷主事 2名
ここで判明は投書の通りの事実、中村前市長、古館村長の合併協定は守られなかった。呑みこまれる方は黙っているしか能はない。だが、強者の論理だけが通用する世の中には社会正義はない。
八戸市は南郷職員を潰した。わずかな人数(98)も救うことなく、自分たちだけの物差しを振り回すなら、合併に従う町村はなかろう。八戸市は合併を繰り返して肥大化してきた。

先人はこうした汚い手口を使ったのか、時代は我々を問うている。
弱者を助けたのか、弱い物の味方をしたのか、声なき声に耳を傾けたのかと

投書の力を知った。「はちのへ今昔」が合併に伴う議員報酬ばかりに眼が行って、職員給料を見落としていた。反省。