2008年8月11日月曜日

困民救済 八戸で医療費全額自己負担者の解消 3

社会福祉協議会に出向いた。ここも何をしているかが不明なところ。根城の総合福祉会館、ここは貸し館をしている。ほとんど日中は留守の部屋が多い。これも中里市長時代の無用な置き土産。この維持のために巨額な税金を投入。その管理を社会福祉協議会が受けている。
資産はあるが生活手段が立たない人を救済すべく、長期生活保護をする制度を調べた。社協は県の社協から依頼され繋ぐだけ。現在三件を県に連絡。昨年12月に二件、そのうち1件はきまりそうだとの言。
今は8月、お盆が眼と鼻。盆暮れの言葉があるが、去年の暮れの事案がお盆に目鼻じゃ、死んだ人間もオガラの煙で戻ってあきれる。それでも何とか進行中。それにつけても、取り次げばいいというのじゃ困るナ。
さて、538人の資格証保持者が、単年度でいくら保険税が支払えないのか、それは1500万円。大体平均より少し下。
これらの税金が払えないだけで、保険の適用を受けられない。生きながら死んでいるような生活に追いやられる。それが、「はちのへ今昔」を衝き動かした。税が払えないから医療行為を受けられない。これは生きながら死ねを強要されたも等しい。
水道企業団のくだりでも述べたが、払えない人間はそれなりの理由と理屈がある。経済弱者を救済しろ。それが人の道だ。
さて、538人の救済案だ。行政が至らないと言うのは易い。だが、それで問題解決にはならない。役所が気づかない点があり、それにメスを入れ、改善改革を提案するところに、行政文書の開示請求の醍醐味がある。
役人は言われたことしかしない。問いただす側に理論と論理がないと、かゆい所まで行くが進まない。「はちのへ今昔」も同じだ。追求するが、あと一歩を踏み込めない。それは知恵がないからだ。どうして解明できなかったかを反省すると、ああ、あの点からもう一度掘り下げようと気づく。  
そして、新たな文書の開示だ。こうした努力なしには市役所に提案できない。したからと言って彼らはしない。しないのが仕事だから。
それを動かすには力がいる。俗に横車を押すというもので、無理を通す、横に車を押すので力が必要。市民にとって必要なものも、役人にとっては不必要、だから横車だ。
収納課長に断られたから、国保課で538人の年齢構成を調べる。このように、市役所の中は謎だらけだ。担当課に出向いても、一般市民だと何を、どのように訊いたらいいかが分からない。そしてタライ回しにされて、そのうち、もういいとなる。それが彼らの付け目だ。黒澤明の映画に、こうした場面があった。昭和27年の作品「生きる」がそれ。主演男優に志村喬、初老の渡邊勘治(市役所市民課長・志村喬)が自分が胃がんであることを知る。汚水が出てしょうがない、困っていると陳情に役所に来る主婦のなかに、今NHKの朝ドラマに月島の婆ァ役の菅井きんが出て、いい味出してるが、この婆ァは若いときから婆ァでいまだに婆ァと言う不思議な人物。これらが水が出て困る、なんとかしてくれと陳情。すると下水に行けとか建設に行けとかタライ回し。今の「はちのへ今昔」がそれ。
こんな映画の場面を思い出しながら廊下を歩いてニヤリだ。国保課に行くには渡り廊下を歩く、前にこの廊下を歩きながら、ある男が同僚の女職員に、「あの爺、まったく困るよなァ、あれだのこれだのと人を顎で使いやがって…」ここで、市長室から出てきた筆者とバタリ。
歌舞伎十八番「「天衣紛上野初花・くもいにまごううえののはつはな」俗に河内山、 思いのほかに帰りがけ、邪魔なところへ北村大膳で、来たと北村をかける言葉、そこでこの男が困った。なんでも今野とか紺野とか言ったような気がするなァ。壁に耳あり障子に目ありと教えた。まだ元気でチョロチョロしてるが会っても知らぬ顔の半兵衛(そしらぬふりをすること)を極め込む。大体役人はこの程度。ある部長が思いつめて自殺するかも知れないとまで言って助けろと願った男も、筆者と会って知らぬ顔。本当に、こんなの助けていいの? それでも助けたが助け甲斐がなかろう。それでも約定だから助けたが…
さて、538人の年齢構成だ。この点は担当課長から意見を聞く必要がある。国保課は資格証(全額自己負担)を郵便で送付しているので、これらの人は八戸市内にいるはずだと言う。収納課は行っても不在、するとこれらの人々は本当に八戸に居住しているのかの疑問があるが、国保課は住民台帳には記載されていると言う。
収納課が八割の人と連絡が取れない、およそ四百名はどのように生活しておられるのか。青森県の最低賃金は生活保護よりも低いというが、そんなたわけたことがあって良いのか。
 真剣に生きよう、生活しようと額に汗する者の給料が、生活保護より低いでは、勤労意欲など湧くはずもない。どこかが狂いを生じている。この歪みを是正しなければ日本人は働くことを放棄するだろう。その賃金でも喜んで働く不法就労者、つまり、東南アジアなどの密入国者たちが仕事に精を出すようになる。これで日本を保てるのだろうか。
 最近インドネシアから介護の人たち2000人が合法的に働きに来た。いよいよ、新日本人と原日本人という構図の実現に向けた一歩だ。日本人の子どもが少ない分、外国人を増やす政策が必要となる。これが新たな火種にもなる。NYやフランスがこの悩みを抱えた。人種のルツボ。これは合理的だが、犯罪の抑止は困難を極める。
 確実に日本は曲がり角を曲がった。