2008年8月16日土曜日

平成20年お盆の送り火2題

五月に遅霜の害があったが、今年も豊年満作となりそう。お盆も終わってご先祖様をお見送りする日となった。中国では死人(しびと)が出ると棺桶に鬼銭を入れる。あの世の役人に賄賂を渡すため。
 中国は賄賂国家、金を出すのは誠意と信じている。自分の人生を誰が拓いてくれる? 拓いてもらうために金を出して何処が悪い? 自分が大事なら、それ相応の銭を賄賂とする。少ないは自分を低く評価しているだけ。誰がそんな者にいい仕事を紹介、斡旋する馬鹿がいる。
 八戸支庁という。庁は役人の居るところを指す。死後五七日(三十五日)で閻魔の庁に引き出される。浄玻璃の鏡に生前の悪行が写しだされる。今のテレビと同じ。裁判官で検事が閻魔大王、弁護士が地蔵菩薩。中国では鬼銭、または紙銭ともいう、おもちゃの銭をお盆に焚く。裁判の席で少しは役に立つと信ずるから、あるいは、牛頭馬頭(ごずめず)阿防羅刹(あぼう・らせつ・地獄の役人、青鬼、赤鬼)にも賄賂が通じると信じている。それほど中国人社会は賄賂が普遍(ふへん・あまねくゆきわたること)。日本では鬼銭は焼かないがおがらに火をつけてご先祖を送り出す。暑い夏の夕べに、故人を偲び火を灯し、そして手を合わせる心のあたたかさを告げるひととき。