白井権八の落語をラジオで聞いた。その中の一言に気を惹かれ、それを調べてみようと思い立った。パソコンで蔵書を調べるがない。そこで県立図書館をしらべると該当あり。本の題名は立川談志、一応相互貸借の申し込みをしたが、八戸図書館蔵書の落語本に掲載されていないかと、落語、講談本を全部しらべた。すると、立川談志全集に白井権八が掲載されている。
八戸図書館の図書検索機には、外題が載っていない。外題を載せればこうした二度手間、三度手間はないので厳重に申し込んだ。
文学全集も同様、誰の全集の第何巻にあるかがわからないから、ひたすら目次を次々と探す。昭和のじだいじゃない、平成の御世、もうすこし知恵を廻せ知恵を。
そこで探した一言は、「お言葉、まことにもってかたじけなくはあれど、聞かぬうちはまだしものこと、聞いたからには、武士と生まれた悲しさは、狭い道を広げて通るのがおのが稼業、山賊どもの人数がどれほどあるは知らねども、腕と目釘の続く限り、斬って斬って斬りまくり、庶民の難儀を救いたい、と、幡随院長兵衛どのにはよしなにお伝えを」
この山賊が鈴が森に居る、山賊退治中に出るのが、長兵衛、「お若いのお待ちなせぇ」「待てとおとどめなさりしは、手前がことでござるよナ」と有名な掛け合いになる、歌舞伎「ご存知、鈴が森」となる。
たった、これを探すのに苦労だ、苦労だ。
武士と生まれた悲しさは、狭い道を広げて通るのがおのが稼業、山賊どもの人数がどれほどあるは知らねども、腕と目釘の続く限り、斬って斬って斬りまくり、庶民の難儀を救いたい、これは八戸市役所に聞かせたいもんだ。