県はこのていどの金額はかかるから、それを見てやれの設計単価表が一冊の本として県下に通用する。これを業者が入手し、この程度の工事なら、この規模の機械・人工が必要になると計算するから、ほぼ等しい額になる。
行政の仕事は工事完了後三十日で現金支払いとなるため、景気後退の昨今、公共工事、地方行政の仕事は欲しい。同一金額が入札されると、くじ引きとなるが、目先の金が欲しい業者は入札価格を下げる。
つまり、県がこれだけかかるという額より下げるわけだから当然原価割れとなる。これが何回も続けば赤字額は増大し、倒産の憂き目を見るのだが、そこはそれ、人間の弱さで何とかなるだろうと高をくくる。挙句、自動車から自転車に乗り換えた経営者を何人も見た。
このように、最低入札価格を二割下げても落札する業者がいるのならと、八戸市はズルイ考えをめぐらした。平成七年一月一日から導入された要綱。これが二割引きから三割五分までを良しとするもの。
二割でも赤字だというのに、三割五分も引かせれば倒産は必至。八戸市は業者が倒産し、市税も滞る事態が生じても平気なのか。
八戸市役所職員は自分たちの給料が二割減る、三割五分減るという非常事態にどう対処できるというのか。自分たちの痛いのは三日も我慢できない。ところが他人の痛いのは三年も我慢できる。三年どころじゃない、十三年も辛抱させる馬鹿が何処にいるのか。
業者はこうしたことに抗弁できない。すれば仕事がこなくなるのを百も承知、二百も合点だから。弱い者いじめが市役所の仕事か?
行政は市民の生命と財産の確保を至上とする。ところが、それを自らが破壊する要綱の制定は愚かだ。これは議会を通す条例や法律ではない。市役所職員がこうしたらどうかという便宜的なご都合主義でしかない。
それが市民の財産、生命を危険にいたらしめる愚かなものである。それを何故撤廃できないのか。これを導入した市長は中里だ。この男のしでかした事はダメなものばかりでしかない。
「はちのへ今昔」はこの要綱を平成六年に戻せ、最低入札価格を八割に戻せと叫んだ。ただ、市役所の廊下で叫んでも奇人変人扱いされるだけだ。
ところが石橋市議がこれを決算委員会で追及、こうなると事態を役所側は放置できない。議会の約束を反故(ほご・約束・契約などをなかったことにする)にはできない。
この八戸市側のいじめはどうして開始になったか、それを市側はこういう。最低落札価格を維持するためです。一円などの入札価格を入れる業者が出れば、困るのは八戸市内の業者ですよ。
これは低入札を指している。事件簿を見ると、平成元年に広島市水道局の入札を富士通が1円で落札し、これに基づいて広島市が契約した「富士通1円入札事件」を巡る15年前の「騒動」「バカ騒ぎ」を言う。
確かに富士通は契約をなすと、その後は随意契約で、毎年それを更新できるため、他を排除する目的で一円入札をした。ここに役所の無能が働く、富士通言語でプログラムを組めば、富士通以外にはそれを運用できないため、以後は富士通にだけ仕事が来る。
誰でもが操作できるような言語でプログラムを組めば、アルバイトでもこなせるようになる。それをしないのは業者に依存、業者癒着があるからだ。
これは稿を改めて八戸情報システム課で記する。
六年前、八戸の建設業者が談合したと公正取引委員会が課徴金を課した。百二十八社に対して総額五億七千七百十六万円の課徴金納付命令を行った。これに悪乗りした中村元市長は談合を悪とし返金させた。これが払えない業者もいる。大方は後日を考えて支払った。
この悪乗りの中村は市長を選挙で失職。当然だ、課徴金は罰金、八戸市が課す理由がない。損をしたと言うが、本当に損だったのか。ここが疑問、それを無理やり押せば、選挙に負けるは当然。
中村は墓穴を掘ったので自業自得、ところが、この一割、二割は当たり前、三割五分引きを迫る八戸市にはビックカメラも真っ青。次回はこれに焦点をあてる。
続