2008年5月1日木曜日

中村岳芳吟道四十年記念吟詠発表会


連載の中村節子さんの発表会、機関誌「吟のわ」三号出版記念もかねている。三月二十二日、八戸ワシントンホテルで開催され、五十余名の人々が参加。小林八戸市長、八戸を代表する物知り正部家種康氏の顔も見られた。中村さんは正部家さん作の「根城追想」を得意として吟じられる。
 狭いワシントンの会場は満員の人で熱気溢れるほど。同じ道を苦節四十年、人生はあっと言う間の短い時間。その中を詩吟一筋に暮らす人生もるのだ。人生は楽しみかたひとつ、どんなに惨めでも、どんなに栄華を極めても、本人がそれを自覚していなければ何もならない。その一つひとつの山坂を中村節子さんが綴られた。こうした人生もあると、めげる心を持たない節子さんの不撓(ふとう・心がかたく、困難に屈しないこと)の精神に乾杯。
機関誌の「吟のわ」三号には多くの方が寄稿された。そのなかの「詩吟との出会いを通して」 今井史朗氏の一文を紹介。社会の第一線から身を引き、約半年経過した時、友人に誘われたのが「詩吟」との出合いでした。単純に声を出して日常のストレス解消になるかも…との発想でした。岳智会壱吟支部に入会して一年余、経過しましたが、「盲蛇におじず」の心境です。入会して約三ケ月位、平成一八年十一月に我が息子の結婚式披露宴で「結婚祝の詩」を吟じたのです。
 一応、最後まで吟じました。講評する人は当然ありませんが、声は掠れる、息継ぎ悪く高音部が延びない等…。初吟会・東北吟道大会・二十周年記念大会など舞台も経験させて戴きました。特に東北吟道大会では山形や仙台に在住してる旧知の方と偶然一緒になり、しかも師範してるとの事で更に驚かされました。私の吟ずる中身はともかく、入会して稽古の楽しさ、他支部の方々、他流派の方々との出会いも又、楽しいものです。
 私自身、吟詠に対しての能力は声量・音域共に不十分、覚えも悪い事は十分自覚してますが、周囲には音吐朗朗(おんとろうろう・声がさわやかで、滞りなく出ること)の仲間が大勢居る、未知の人達との触れ合いを通して知己の輪を広げていきたいと思う。
 芸事の楽しさ面白さを表す好文で、定年後に何かしたいと思う人へ確かなヒントになっている。