2008年5月1日木曜日

八戸中心商店街は壊疽、再建は固定資産税見直の一手


八戸は固定資産税を再考しなければならない。
町は再興できない状態にまで腐った。人間でいえば壊疽(えそ・体の組織や細胞が局部的に死ぬこと。冷・熱・毒物・血流障害・外傷、細菌やウイルスの感染などによって起る)で、体が腐ったのだ。
こうした状態にまで陥れば中心商店街の再建などは夢のまた夢。市役所は現状をもっと見つめよ。街が死ねば固定資産税の収入は困難。すでに多くの商店主が固定資産税を満足に払えない。
自分の智慧と才覚で商売をする者はともかく、智慧不足で商売が立ち行かず、貸し店舗、貸し事務所を経営。ところが不況で借り手が不在。ビルは老朽化し、誰も訪れない。風雨に晒され廃墟と化した。ところがこうなっても固定資産税は課される。壊さないかぎりむしり取られる仕組みが固定資産税。
硬直した思考での税の課し方を改めないと、街は 更に壊疽の度合いを深め壊滅する。
江戸の昔から続いた街を守り育てるのが行政の仕事。それを放棄し課税することのみ熱心となったツケが廻った。
行政は人々の生命財産を守ることが最優先。それを税を課すことにのみ真剣となり、街が病気になったことに注意を払わなかった。
熱が出る、咳がとまらないと幾つもの症状が出たにもかかわらず、注意を払わなかったのだ。商工会議所は地元商工業者の利益の守護、勝手な要求団体。これに力がないと不当な税を丸呑みすることになる。
従来のような活気溢れる中心商店街なら、固定資産税もそのままで良い。ところが街に人が集まらない状況下で、同一な税を課すことに間違いがある。だからこそ支払えない人が続出。
かかる事態を回避すべく会議所も要望を出すが、市当局は耳を貸さない。街を助ける気があるのだろうか。助けてくれと会議所が言うが、聞く耳を持たないのが今の市当局者だ。
景気が回復すれば税は払える。ところがバブル崩壊、失われた二十年になるぞ。遣っても又入ってくると思えるから、金を消費する。税は変わらない、更に増える仕組みの息苦しさの中で誰が金を気兼ねなしに使える?
街は必ず新興地から腐る。三日町、六日町などの旧来からの街、本八戸駅のように後発の街、こうした新興の地から腐るのが鉄則。
本八戸駅周辺は腐りが一番初めに来た。同様後発の南部タウンが壊疽を起し、とうとう崩壊する。ここも八戸港が隆盛を極めていた頃にできた街だった。
昭和四十六年、国会議事堂を裸足で歩いたといわれた歯だしの岸総理の弟、佐藤栄作が首相を務めていた時代、沖縄返還が決まりニクソンがドルを金と交換しないと宣言した。世はボーリングブーム。それに目をつけたのが南部木材。大きな収入増を目論んだのだろう。広大な敷地にそれを建てた。ところが流行ものは廃りもののたとえの通り、ブームは去った。そこで智慧を廻して飲食街へと  変貌。これがまんまと当たって東高校のあたりがにわかに活気を帯びた。いかがわしい風俗の店なども立ち並び高校生には不向きだとも思わせたが、それも社会勉強であったか。
ともかくも、ここらが賑わって、夜の蛾だか蝶が乱舞し、スナックだのいないないバーだのが多くの客を集めた。ところがこの不景気で、南部タウン自体が壊疽。
今は綱を張って人が立ち入れない有様。それでも固定資産税を課す。首っつりの人間の足を引っ張るしわざだ。
役所は人を殺す、ダメにするのが仕事ではないはず。本来の目的は地域住民の生活、財産を守るのが仕事。すると、かかる状態の廃墟をどうするか、これには固定資産税を課し、その金額が撤去費用に満ちた場合は市が撤去の代執行をする。そして、その費用は請求しない。
欧州の町は古い町並みを保護する。地方自治体にそれなりの方針、政策が明確にある。ところが日  本は古来より地震、大火の襲う所、旧来の建築物を守るなどの概念がない。壊れたら又建てればいい。こうした発想でしかない。これが国民性なら、これに合わせた税の徴収方法があってしかるべしだ。
固定観念にとりつかれず、自分たちの街を注視し、税徴収を柔軟に適用せよ。
かつて、八戸は日本一の水揚げを誇る漁港だった。その当時の漁獲高から今は十七%までに下がった。ここらは連載中の武輪水産の話を参考にされたい。
つまり八十三%が獲れなくなった。良く聞いて欲しい。商売の売り上げが八割無くなったら、商売として成り立たなくなる。これは当然。市役所の税収入の八割が無くなれば存続不能。
これをモロに喰らったのが水産界。そこを生き残ったつわものがいる。それが現在活躍する業界人たち。頭が下がる。困難に直面し、それから一歩も下がらず苦闘された。
これら業界人の智慧を街にも生かそう。どう辛抱  されたのか、どう乗り切ることが出来たのか。ここにこそ生きた智慧がある。八戸は捨てたもんじゃない。困難を克服された先人がいるんだ。
その智慧と努力を市役所も学び、八戸の中心商店街を立て直せ。無料駐車場を中心とした大胆な構想をもて。商業と市役所が一体となる新たな行政の仕組みを考えださないと八戸の中心商店街は壊疽を起し、南部タウンの壊疽が伝染し崩壊するのは間違いない。
行政はダイナミックな改変をするところに面白みがある。遷都がそれだ。八戸も中心商店街が崩壊すればイオンを呼び込むことになろう。が、その時、イオンが時期を失して来ないと言うのも間違いない。ものごとには潮時がある。その時宜に応じた施策が打てないのが役人。小林市長とても同じ。競馬で言えば好位地にあれど伸びずというところだろう。次回は目玉が飛び出す起死回生の景気浮揚策を開示する。