電力は全国を九つに分割し殿様稼業。ここは他の電力会社が出力不足時には相互融通が可能。何故? 電線が繋がっているから。つまり、水道もこの発想を持ち他からの水を融通してもらえばいい。
八戸のように巨大な都市、青森県は人口145万人、八戸圏域35万人と25%を占めるため近隣の小さな市での生産水道水も大した量にはならないが、それにしても八方と手を結べば可能となるやも知れぬ。
この観点から水道行政を眺めるとこんな点が浮き彫りになった。非常時にライフライン機能を早期回復するには相互応援が大切と協定を締結。
青森県水道災害応援協定 昭和44年
日本水道協会 平成9年
埼玉県さいたま市 平成7年
岩手県二戸市 平成15年
岩手県種市町 平成15年
協同組合八戸管工事協会 平成11年
応援給水 十和田市 平成17年
隣接する三沢市との締結がなされていない。今回の断水で、十和田市からは陸送2千トン、水道管から9千トンの合計1万1千トンが融通され、これは金で支払われる。六戸の折茂、沖山には十和田市の水道管が埋設されている。ここを開いて付近住民の供給。ところが、この管が細く100パイ。この細さでは知れた量しか出ない。これを太くすると八戸市内で十分に使用できる。それには400パイの太さが必要。これを通じたとすると、八戸市内一日の水道使用量は9万トン、蟹沢、三島、おいらせは断水しなかったので都合3万5千トン、これに400パイをつなぐと十和田市から3万8千トンが流入し合計7万3千トンになり必要量の8割は確保できる。
今回の応急導水管の太さは600パイ。400パイはかなり太い。供給側、つまり十和田市に造水能力があれば可能となる。六戸にはたての台配水塔があり、ここまで導水管を引くか、向山ポンプ場まで引くかの問題もあるが、向山は300パイと太い。先ほどの計算より流量は減るが十分可能。すると十和田市側の300パイの管を探す必要があるが、十和田市の管路情報を水道企業団は持っていないので不明。
三沢市は湧水量が少なく相互扶助協定を結んでいないが、こことも結べば十分断水を防ぐことは可能だろう。管を結ぶ距離が長くとも路上に応急管を設置し交通誘導員を置きポンプ場までを確保すればいい。こうした工夫で時間を稼ぎ復旧工事を急ぐことだ。
相互応援体制も今一度見直す必要がある。地方行政に水道事業を委ねる危険性がここにはある。三沢、十和田は水道料金も安い。電力のように全国を9つに分けて甘い汁を吸う方法もあるが、県単位での均一料金方法もあろう。地方行政にはすわ、鎌倉の根性がない以上、この県単位の水道企業合同も視野に入れるべき時こそ来たれり。