八戸の地元紙、デーリー東北新聞の人気欄に「こだま」がある。死亡欄とこだまは絶対に見ると市民に言わせるほど。
ここに時折投稿をする人物に奥山秀二って人がいる。この人は売市の床屋さん。この奥山三兄弟は父親の代から床屋で、そろぞれが優秀、三人兄弟とも店を持っていて、いずれも盛業。人が良くって話が上手だ、自然お客もつくわけ。
この床屋の話を昔「はちのへ今昔」に掲載したことがあったが、最近は白鳥保護に乗り出しているというので早速取材。
奥山さんの投稿は次のもの
毎年傷付く白鳥
事故防ぐ配慮を
馬淵川の河川敷が整備され、「水辺の学校」が徐々に出来上がってきました。いずれ水草や草木が生い茂り、水中生物や多くの水鳥が集まるオアシスとなるでしょう。
ここには毎年百羽近い白鳥が飛来して、多くの人たちを楽しませてくれます。しかし悲しいことに、この春も、北郷行を目前にして三羽が傷付きました。二羽は二度と飛ぶことができないほど翼が折れ、もう一羽も皮膚がそげ落ちて骨が露出するほどのけがをしました。その鳥には仲間が寄り添っていましたが、残念なことに、後日力尽きてしまいました。あまりにも哀れでなりません。
私の知る限りですが、新井田川ではこの冬三羽の白鳥が命を落とし、浅水川では幼鳥一羽がけがをして保護されました。
毎年数羽がけがをしています。その原因の多くは、川の上を伝う高圧電線に接触したためだと考えます。できるだけ安全に飛来し、そして無事に 帰れるように対策を講じるべきだと思います。川幅分だけでも反射板を設置して、接触を防ぐこと はできないでしょうか。
河川敷は整備され、人が自然と触れ合える場所を提供していただきました。しかし上を見上げると、ちょうど渡り鳥たちが降り立つ辺りに一番の危険が待ち構えています。アンバランスな光景 は、渡り鳥に優しい環境とはいえません。
県には鳥獣保護センターがあり、傷付いた白鳥 などに命の配慮がなされています。しかし、そこへ行かざるを得ない状況になる前に、安全への配 慮をしてもらえたら。
関係者の皆さまに心よりお願い申し上げます。
(八戸市奥山秀二 38)
奥山さんは犬を散歩させる途中、白鳥がいるのに気づいたそうだ。七年も前のこと。餌をやろうとパンを買いにいってから、今日まで毎年餌代を負担し、白鳥の数も増加してきた。ところが、怪我をする白鳥がいる。
白鳥に餌を与えるから怪我をするという人もいるそうだ。百人いれば意見は百ある。たしかにそうした面もあろうが、白鳥に餌を与えている所は方々にある。湖や河川、東北地方ならどこでも見ることが出来る。八戸近辺では下田の飛来地が有名。
すると、こうした怪我の話も方々にあるのだろうかと、インターネットで探してみた。あるある。
一関の上空を通過するハクチョウを見て、磐井川にもハクチョウに来てほしいと思った人がいた。横沢重雄さんは、ハクチョウたちが安心して舞い降りるように、毎年、ボーイスカウトの団員たちと白いアヒルを飼育して磐井川に放った。「白いアヒルでハクチョウを呼んだ一関」だ。
飛来したハクチョウが越冬するようになって2年目のことだった。新幹線高架線に激突して飛べなくなったメスのハクチョウに、オスのハクチョウがずっと寄り添っていた。毎日新聞が全国版に「白鳥の美しい夫婦愛」として報道し、翌日には日本テレビなども磐井川を取材に来た。
一躍有名になったハクチョウを見ようと大勢の人たちが磐井川に押しかけ、見物人から与えられたエサを過食したオスのハクチョウは、翌日、死体になって発見された。そのことは「磐井川白鳥物語」としてTBSテレビ、毎日新聞によって全国に伝えられた。1981年のことだった。
04/17;安曇野の犀川白鳥湖など安曇野一帯に飛来しているコハクチョウが5羽になった。地元の「アルプス白鳥の会」は「昨年より早く北帰行はほぼ完了」と。原とみ子さんは「無事に帰るんだよと見送った。うれしさと別れの寂しさが入り交じり複雑な気持。残る5羽を見守りたい」と。残っている5羽はふくちゃんと、電線に衝突してけがした2羽。あとの2羽は飛べないふくちゃんを気づかっている。中州に2羽、向こう岸2羽、ふくちゃんは中州とこちらの岸とを行ったり来たり。ったり2005年北帰行できなかった「ふくちゃん」は白鳥湖にとどまったままです。ふくちゃんは2004年に散弾銃で撃たれ左翼を負傷。ふくちゃんは犀川で飛ぶ練習をしていましたがまだ100m程度で水面より1m程度でした。2羽のペアはつがいなのか一緒に行動。そんな中、ふくちゃんは近づいては離れてを繰り返していました。04/16夕~04/17朝で150羽が北帰行。犀川河川敷から奥に「アルプス白鳥の会」の餌小屋も小屋閉めしてました。豊科安曇野には約2400羽のコハクチョウが飛来した。2005-2006年シーズンは事故も多く7羽が死亡。電線に衝突したもが5羽、豆を器官に詰まらせた1羽、鉛中毒1羽。
夕方の地元ニュースで白鳥の“フクちゃん”について伝えていました
(“フクちゃん”とは、2年前散弾で怪我をして飛べなくなり犀川ダム湖で1年を過ごした白鳥さんです)
「昨日、犀川ダム湖に最後に残った4羽の白鳥は
フクちゃんを残して北帰行した。フクちゃんも一緒に飛ぼうと羽ばたくが水面から飛び立つことができず取り残されてしまった」
4羽の後ろから着いていこうと羽ばたくフクちゃん。羽ばたいたも羽ばたいても体が浮かない。
この様子を撮影したアルプス白鳥の会の方は一生懸命着いていこうとするフクちゃんの姿に涙でファインダーがにじんだと話されていました。
「ところが 15分後、1羽が戻ってきた。今日、2羽は寄り添うように何度も何度も飛び立つ練習をしていた」
白鳥は家族単位で行動するっていうから戻ってきた1羽は親か兄弟姉妹かな?
(フクちゃんはメス)
また犀川ダム湖に様子を見に行ってこなきゃ
がんばれ!フクちゃん!
2006.04.24;安曇野白鳥飛来数;白鳥湖に2羽。安曇野も桜が咲き、コハクチョウの北帰行は終わり。残るはふくちゃんと1羽のみ。安曇野の犀川白鳥湖にけがの後遺症で飛び立てない雌のコハクチョウ「ふくちゃん」とは別の1羽が仲間の北帰行後も残り、04/25も2羽で過ごしていた。「アルプス白鳥の会」によると04/24早朝、残っていた5羽のうちふくちゃんを除く4羽が一斉に飛び立った。ところがすぐに1羽が戻ってきたという。2羽はいつも寄り添い、「ふくちゃんに恋人ができたかな」と原さんはにっこり。会田仁さんは「他県では北帰行しなかった白鳥が営巣した例がある。帰ってきた1羽が雄なら幼鳥が誕生するかも」と
事実は小説より奇なり。
人々の心を慰める白鳥の世界にも、こんなにもいろいろなことが隠されているとは。
奥山さんも橋の下を通過しようとした白鳥が、橋の修理に架けられた鉄パイプに激突して翼が折れたそうだ。こうした白鳥も間もなく死ぬそうだ。奥山さんは自費でチラシを作り、怪我した白鳥を助けようと探し続けている。頭が下がる。